2002年06月11日
トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダム total 4124 count

宇宙世紀の駄ッ作機 短距離離着陸連絡機ドラゴン・フライ

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 地球上にジオン軍が降下し、ミノフスキー粒子が地上の戦場にも大量散布されたとき、連邦軍は組織として抵抗することが困難になるほどの大ダメージを受けました。その結果、数はそれほど多くないジオン軍に相当広い土地を奪われる羽目になりました。

 どうして、こんなにあっさりとジオン軍に負けてしまったのか。連邦軍のエリート将校達は、額を集めて議論しました。

 第1の問題は全く予想外の奇襲攻撃であったこと。そのため、即座に的確な対応ができず、実力を発揮できませでんした。しかし、既にジオン軍を警戒している今、同じ問題はもう無いはずでした。

 第2の問題は、画期的なモビルスーツという兵器にしてやられたこと。これは、連邦軍もモビルスーツを開発すれば解決可能な問題と考えられました。

 第3の問題は、ミノフスキー粒子でした。これによって、レーダーが無効化され、けして数は少なくない連邦軍でしたが、常に先手をジオン軍に取られ続け、あっさり各個撃破されてしまったのです。

 しかし、実際にジオン軍に負けて敗走してきた部隊から話を聞くと、予想もしていなかった答えが返ってきました。

 彼らは、ジオン軍出現の30分後には驚きから十分に回復して、持てる力を発揮した戦闘に移行していたと主張しました。

 また、ザクもけして倒せないことはなく、1日か2日のうちに、ザクを倒す手段は発見していると主張しました。

 レーダーが使えないことに関しても、彼らが直面した近距離戦闘ではさしたる問題ではなく、肉眼による見張りをしっかりやっていれば何とかなると主張しました。そもそも、レーダー攪乱は、はるか20世紀の昔から続く先述の1つであり、今更新しい攪乱方法が見つかったぐらいでさわぐのはおかしいと言う者さえいました。

 では、いったいなぜ彼らは負けたのか。

 その理由は、部隊間の連絡の途絶にあったという意見があちこちから聞かれました。

 子細に戦闘の実情を調べてみると、ミノフスキー粒子散布によって孤立した連邦軍の各部隊が、ジオン軍により各個撃破されていった状況が明らかになりました。総数から言えば、圧倒的に連邦軍が多いはずなのに、各部隊がバラバラに孤立した状態でジオン軍と交戦し、敗北していたのでした。もしあのとき、近くにいる友軍部隊に連絡を付けることができれば、油断したジオン軍の背後を突いて攻撃させることもできたのに、といった恨み言はあちこちから聞かれました。

 また、司令部の関係者も、各部隊との円滑な連絡さえできれば、戦闘で弾薬を使い尽くしたザクを攻撃するように誘導することもでき、けして負けはしなかったと証言しました。

 とすれば、ミノフスキー粒子散布下で連邦軍が戦うために必要とされているものが何かは明らかでした。

 それは、ミノフスキー粒子がいくら濃くとも連絡を可能にする手段でした。

 電波が届かなければ、人が直接伝えるしかない、ということで、連邦軍は直ちに、各部隊の伝令要員を増強し、機動性の高い移動手段としてサイドカーを含むオートバイの最前線への配備を進めました。

 しかし、狭い範囲ならそれで良いのですが、最前線とはるか後方の司令部との連絡、ということになると、オートバイでは時間が掛かりすぎて迅速な連絡はできませんでした。

 何か、もっと根本的な対策が必要でした。

 迅速に伝令を長距離移動させる手段とは何か。

 連邦軍が頭を悩ませた結果辿り着いたのは、まるでオートバイのように小さく軽く手軽に飛ばすことができる航空機でした。1~2名のパイロットを乗せ、短距離離着陸性能を持ち、多少の凹凸があっても、離着陸でき、そして燃費が良く、わずかな燃料で長距離を飛行できるというものでした。そして、誰でも容易に操縦を修得可能である必要がありました。つまり操縦特製が素直で、無茶をしても、そう簡単に墜落しない必要がありました。

 連邦軍は、この条件に合致する機体を軍用の練習機や、民間機の中から探しました。

 その結果、航空スポーツの入門級のライトプレーンの「ライトニング・ドラゴンMARK-III」が、その目的に叶う機体であることが分かりました。軍は即座に、未だに連邦軍が掌握している全ての地域で、この機体を強制接収すると共に、メーカーに限界まで増産するように働きかけました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。